「糖質制限ダイエット(ローカーボ)と脂質制限ダイエット(ローファット)だったらどっちが痩せる?」
このページはそんな疑問を持つ人に向けて管理栄養士が作成しています。
近年ではメジャーなダイエット法になった糖質制限と脂質制限。
これからダイエットを開始する人の中には「どっちをやろう?」と考えている人もいるのでは?
そこでこのページでは糖質制限と脂質制限の効果の違い等を比較しながら、どちらが効果的なのかを紹介していきます。
※本ページの内容は健常者を対象としています。持病がある場合の減量は医師の指導のもと行ってください。
糖質制限と脂質制限はどっちが効果的?
結論をいうと、糖質制限と脂質制限はどちらを選んでもダイエット効果はあります。
もちろん、これは自分に適した正しいやり方を実践した場合ですが、これからダイエットを始めるという人はどちらを選んでも体重を減らすことはできるでしょう。
重要なのは「どっちが、自分に合っているか」です。
当たり前ですが、糖質制限も脂質制限もやり方はそれぞれ違ってきますし、メリット・デメリットが存在します。
したがって、違いやメリット・デメリットを理解し、『本当に自分が実践できるか』を見極めてから開始することが重要です。
この見極めができない場合、ダイエットを開始してすぐに挫折する可能性があります。次に糖質制限と脂質制限の特徴やメリット・デメリットをまとめていくので、選ぶ時の参考にしてみてください。
糖質制限ダイエットと脂質制限ダイエットの特徴
まず、糖質制限の特徴やメリット・デメリットを以下にまとめておきます。
- 短期的に体重が減りやすい
- 脂質を多く摂取する
- 短期的に体重減少が見込める
- 筋肉も減りやすい
- リバウンド率高し
- イライラしやすい
糖質制限ダイエットとは、名前の通り、糖質の摂取量を減らすダイエット法をいいます。
具体的には、糖質が多く含まれる米やパン、麺といった主食になる食べ物や、イモ類などの食品の摂取量を減らしていきます。
糖質は私たちのカラダの効率の良いエネルギー源になるものですが、過剰に摂取しすぎると『インスリン』というホルモンの作用によって脂肪として蓄積しやすいという特徴があります。
したがって糖質の摂取量が減ると、脂肪が蓄積しにくく、現在蓄積されている脂肪がエネルギーとして燃焼されやすくなるのです。
脂肪になりやすい栄養素が少なくなるわけですから、糖質制限の場合、短期的に体重が減りやすい傾向にあります。
しかし、先にも紹介したように糖質はエネルギーになる栄養素ですから、糖質の摂取量を減らせばカラダがエネルギー不足になります。
これを解消するために、糖質制限ダイエットでは脂質を多く摂取していきます。
具体的には良質な脂質である『不飽和脂肪酸(青魚、アボカド、オリーブオイル等)』やエネルギーに変換されやすい『中鎖脂肪酸(ココナッツオイル、アボカド)』といった脂質の摂取量を増やします。
私たちのカラダは糖質が少ない状況下では、アミノ酸や脂質がエネルギー源として利用され、特に脂質の場合は、『ケトン体』という物質に変換されてエネルギー利用されます。
したがって糖質を制限する分、脂質を多く摂る必要があるのが糖質制限ダイエットなのです。
炭水化物が多く含まれる米やパン、麺といった食品にこだわりがない人であれば、肉もアブラも摂取できるため、食事の満足度を維持しながらダイエットができるでしょう。
※健康雑誌や健康サイトの中には、1日の糖質摂取量を限りなくゼロに近づける方法を推奨しているのを見かけますが、特定の栄養素を全く摂らないというのは健康に支障をきたす可能性があるため、個人的には1日100~150g程度の糖質摂取を推奨しています。
・脂質制限(ローファット)
一方、糖質ではなく『脂質』の摂取量を少なくしていくのが脂質制限ダイエット(ローファットダイエット)です。
脂質制限の特徴をまとめると・・・
- 長期的ダイエット向き
- 脂質が多い食品NG
- 糖質が摂れる
- 筋肉が落ちにくい
- リバウンド率高し
- イライラしやすい
脂質とは、簡単にいうと『アブラ』。つまりアブラの多く含まれている食品を食べないようにしていくのが脂質制限ダイエット。
脂質は1g=9kcalで、糖質・タンパク質が1g=4kcalであることと比べると、倍以上のカロリーです。
つまり脂質の摂取量を減らすことで、摂取カロリーを減らしやすくなるということです。
また、糖質制限同様に筋肉量を増やして代謝を上げていくにはタンパク質の摂取が重要になってきます。
タンパク質が豊富な食材に肉がありますが、肉には脂質が多く含まれています。したがって脂質制限で肉を食べる場合は、脂質の少ない部位(トリ肉ならムネ、ササミ、牛豚ならヒレなど)を選んで摂っていく必要があります。
もちろんですが、脂質制限では唐揚げやトンカツなどの揚げ物はNGです。
糖質制限が向いている人
私が考える糖質制限に向いている人は・・
・『短期的』に痩せたい
・炭水化物にこだわりがない
・肉が好き!アブラ好き!
という人です。
個人的な意見ですが、とにかく短期的に痩せたい!という願望があるなら糖質制限が向いているでしょう。
脂肪に変換されやすい糖質を制限することで、短期的に体重減少が見込めます。
実際に私がダイエット指導している方の中では、糖質制限を選択する人の方が体重の減少が早いです。
ただし、デメリットもあります。糖質は効率の良いエネルギー源であるため、摂取量が減ればエネルギー不足に陥りやすいです。
特に脳のエネルギー不足が起こると、イライラしやすくなったり、だるさを感じやすくなるというデメリットがあります。
また、基本的に糖質の多い食事を送っていた人が急に糖質を極端に制限した場合、糖質依存から抜け出せずにすぐに挫折するパターンもあります。
また、糖質制限はリバウンド率が高いです。
低糖質の食事を維持できればリバウンドのリスクは減りますが、ダイエットが成功したあとに炭水化物を取り出すと元に戻りやすい傾向にあります。(カラカラに乾いたスポンジが一気に水を吸収する感じです)
したがって糖質制限で目標とするカラダになった後は、『徐々』に炭水化物の量を増やしてカラダを慣らしていく必要があるでしょう。
脂質制限が向いている人
脂質制限に向いている人は・・・
・「ゆっくり痩せていきたい」
・「炭水化物を食べたい!」
・「筋肉を落としたくない」
脂質制限は糖質制限にくらべると減量効果がゆっくりです。したがって「長期的にダイエットを考えている」という人に向いているでしょう。
また、脂質制限の場合は筋肉量が落ちにくいというのもメリット。筋肉をつけたり、筋肉量を維持するためにはタンパク質だけでなく糖質も利用されるため、糖質を摂取することができる脂質制限は、筋肉が落ちにくいというメリットがあります。
また、炭水化物の摂取量を減らすことに抵抗がある人にしみれば、糖質が摂れる分、ダイエットを継続しやすいでしょう。(だからといって摂りすぎはNG)
糖質制限も脂質制限もリバウンドするリスクはある
先にリバウンドについて少しふれていますが、再度リバウンドについてご紹介しておきます。
糖質制限、脂質制限のどちらを選んでもリバウンドするリスクは絶対にあると思ってください。
そもそもダイエットをすると、カラダはダイエット時に行っていた食事量や運動量で維持されるカラダになります。
その状態でダイエット前の食事に戻せば当然ながら太ります。
したがって、どんなダイエットを行うにせよ、太っていた頃の食事に戻せば確実にリバウンドするということです。
「じゃあ、ダイエット生活を一生続けないとダメなの?」
と思う人もいるでしょうが、そこまで極端に考えず、ダイエット終了後は適正カロリーを守り、バランスの良い食生活を心がければリバウンドリスクは下がります。
カロリーを守り、ごはん(主食)、肉・魚・卵(主菜)、野菜(副菜)をバランス良く摂る食生活を心がけましょう。