【偉人に学ぶ】徳川慶喜の長生きの秘訣は「フォトセラピー」だった!

徳川慶喜とは

徳川慶喜といえば江戸幕府最後の15代将軍となった人物です。幼年期よりその才能は他の者より抜きんでており、将来を嘱望されていました。慶喜がまだ十代の時、将軍後継問題に巻き込まれ、のちの14代将軍徳川家定とともに、彼が将軍候補の一人になりました。しかし当の慶喜は「骨が折れるので将軍に成って失敗するより最初から将軍に成らないほうが大いに良い」という手紙を父親に送ったそうです。
賢かった彼にはすでに徳川幕府の行く末が見えていたのかもしれません。しかしその時は将軍に成らずに済みましたが、のちに15代将軍になり皮肉にも彼が徳川の時代を終わらせてしまったのです。

大政奉還後の慶喜

慶喜は、大政奉還後に戊辰戦争を起こした罪に問われ、静岡で謹慎したのちもそのまま静岡で蟄居生活を送り、晩年を東京で過ごし77歳で生涯を閉じました。当時で77歳といえばかなりの長寿といえます。歴代の徳川将軍の中でも一番の長寿でした。
静岡で過ごすようになってから慶喜は数多くの趣味に興じていたそうです。その中でも彼が50歳を過ぎてから始めた写真の趣味にその長生きの秘訣があるのではないかと言われています。

心身を癒す「フォトセラピー」

みなさんは「フォトセラピー」という言葉を聞いたことがありますか。写真を撮ったり、撮られたり、写真を見たり、見せたり、または見せてもらったりすることで心身の活力や心の癒しを得て、人生を豊かにすることを言います。
慶喜が撮影したといわれる現存する500枚以上の写真の中には、慶喜自身を撮ったセルフポートレート、いわゆる「自撮り」が数多く含まれていたそうです。

ポジティブになれる自撮り

実はこの「自撮り」には、自らを肯定し、ポジティブな思考を持つことができるという効果があるといわれています。自分で撮影したものを後から見て自分の目線に気づいたり、自分の撮った写真について親しい人に語る作業が、自分らしさの発見や気持ちの整理、人との絆を深めることにつながるそうです。
また、写真を自分以外の人に見せることによって、自分では見えていなかった自分らしさに気づかされることや、撮った写真を通して語り合うことで、コミュニケーションがもっともっと膨らむのです。
自分の写真を上手に撮ろうとすれば、できるだけステキな表情をしようとか、はつらつとした自分を撮ろうと意識します。そうすることによって、気持ちに張りが出て、前向きな気持ちになれます。そして、その写真を見直すことによって「自分はこんなステキな表情ができるんだ」と自信を持つことができます。
心の元気を得るためには「自撮り」が最も効果的だそうです。是非みなさんも今日から「自撮り」を始めてみませんか。

色々なフォトセラピー効果

例えば、デイサービスなどで訪問した時にシルバー世代の方に「ステキに撮りますよ」と言ってカメラを向けると、みなさん姿勢を正して、はつらつとした表情を見せてくれるそうです。そしてその写真を見ている時はいつもより元気なるそうです。かわいい動物の写真を見て癒されることにもセラピー効果はあるのですが、「撮る」「撮ったものを見る」「誰かに撮ってもらう」などの行為にもセラピー効果はあるのです。
慶喜が生きていた時代にはまだカメラはとても高価で、華族であった慶喜だからこそできた趣味だといえます。しかし、現在は携帯電話に付いているカメラでも満足できる写真撮影が可能になりました。そういう意味でもこのフォトセラピーはとても身近なものになったと言えるのではないでしょうか。

長生きしたおかげ?

因みに、タイタニック号沈没事件が起きた時、まだ慶喜は存命していたそうです。黒船の時代を生きていた人物が、あの豪華客船ができた時代まで生きていたなんて技術の進歩の速さに驚かされます。なお、そのタイタニック号の事件が起きた年に、慶喜はドイツのダイムラー社の自動車を所有し自ら運転もしていたそうです。本当に長生きはするものですね。