ガンの原因とは
現在の日本では2人に1人はガンになると言われています。かつての日本は先進国の中でもガンになる人は少ない国でした。それが今では死亡原因の第一位になってしまっています。なぜこれほどガン患者が増えてきたのか、ガンの原因は何なのかを解説していきます。
ガンは生活習慣病
ガンの原因は様々ですが、ガン発生の大きな要因は生活習慣が大きく関わってきています。喫煙、過度の飲酒、ストレスや紫外線、化学物質はガンが発生しやすい原因です。
ガンの原因は解明されていない部分がありますが、アメリカの国立衛生研究所(NIH)が1981年に発表したガン発生の原因は約3割が喫煙、5割が食事関連です。
アメリカではガンが減っている
アメリカ・ガン協会が2015年に発表したデータによると、アメリカでガンと診断された人の数は165万人。そのうち死亡すると予想される人は58万人とされます。2007年から2011年の間に男性は毎年約1.8%が減少、女性は1.4%が減少しています。勝手なイメージですが、アメリカがガンが減っているのは意外ではないでしょうか。欧米食の代表格のような国だから「ガンも増えているだろう」と思う人もいるかもしれません。
なぜアメリカでガンが減ってきているのか。これはアメリカ人の食事が変化してきたからだと見られています。アメリカは1977年から1990年にかけて「ガン撲滅の為の食事」を官民一体でアピールしてきました。結果として92年以降、ガンが減っています。それまで「ザ・欧米食」と言われていたフライドチキンやステーキといった高脂質高カロリーの食事から、日本食などのヘルシーな食事がアメリカで取り入れられているのです。
ガンは特別な病気ではない
ガンは特別な病気などではなく、高血圧や糖尿病と同じように「誰にでもなる可能性がある生活習慣病」であることが証明されてきました。ガンはいきなり発症するものではなく、不規則な生活、不規則な食生活によって徐々にカラダの細胞が傷ついて発症するものです。やはり生活習慣が大きく関わっています。
近年では世界的にも「ガンの70%以上は生活習慣の改善によって予防が可能である」という見解が示されています。
ガンになる4つ生活習慣
ガンを予防・改善する為には生活習慣が大切という事は世界的にもわかってきました。現在、ガンの原因といわれる4つの生活習慣をご紹介していきます。
①塩分の過剰摂取
塩分の過剰摂取と関わりのあるのが「胃ガン」です。塩分を多く摂取してしまうと胃の粘膜がただれてしまいます。胃の粘膜がただれてしまうと「ピロリ菌」が繁殖しやすい環境になってしまいます。このピロリ菌が「胃がん」を招きます。
ピロリ菌ってよく聞きませんか?ピロリ菌は日本人の4人に1人が保有していると言われます。ピロリ菌が胃腸にいると必ずガンになるというわけではありませんが、WHO(世界保健機構)ではピロリ菌が第1級の発ガン性物質だと認められています。塩分は、粘膜が分泌する粘液を溶かす作用があります。胃は粘膜が分泌する粘液で守られていますので、粘液が減少してしまうと胃の防御力が低下して潰瘍が出来やすくなります。そして潰瘍にピロリ菌が増殖してしまうと胃ガンにつながってしまいます。塩分は1日7gを目標にして10gは超えないようにしましょう。
野菜不足・果物不足
野菜は1日に350g食べる事が推奨されています。350gをクリアするためには意識して野菜を食べないとなかなか難しいですが、全体的に野菜が摂れてないと感じている人は多いのではないでしょうか。ガンと野菜との関係は、野菜に含まれる酵素やビタミンがポイントです。以前の記事で細胞は毎日入れ替わっている事をご紹介しました。この細胞の入れ替わりを別名「代謝」といいます。細胞が健康でいるためには大量のエネルギーが必要となります。このエネルギーが作れるのに野菜や果物に含まれる「酵素」や「ビタミン」が役にたちます。
■エネルギーが作られる過程・クエン酸回路
エネルギーの元となる物質をATP(アデノシン3リン酸)といいます。食べたものは胃で消化され、ブドウ糖となり血液に乗って細胞まで運ばれます。細胞でクエン酸に変化し、細胞内のミトコンドリアに入ります。クエン酸はミトコンドリア内で「クエン酸回路」と呼ばれるサイクルを繰り返してATPを作り出します。このATPを出すクエン酸回路を回すためには多くの「酵素」や「ビタミン」が必要なのです。その為に野菜や果物が重要になってきます。
喫煙・飲酒・過労などのストレス
過剰な飲酒や喫煙、過労などはストレスです。ストレスを受けると体の中に「活性酸素」というものが生まれます。この活性酸素が過剰に生まれてしまうと細胞を傷つけ、ガンを招きます。
飲酒や喫煙は絶つことは可能ですが、精神的ストレスや肉体的ストレスはそうはいきません。生きている限りストレスは受けるものですから、活性酸素は必ずできます。そこで摂って欲しいのが野菜と果物。野菜と果物にはファイトケミカルという抗酸化成分が含まれるので活性酸素の除去に役立ちます。
参考記事:ガン防止成分「ファイトケミカル」を上手に摂るたった一つの方法
動物脂質の過剰摂取
動物性の肉に含まれる「飽和脂肪酸」はLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を増やし、動脈硬化など血管の老化を促進する事が分かっています。細胞の入れ替わりには栄養が必要です。この栄養は血管を流れる血液によって全身の細胞に運ばれるため、血管が老化して血液の流れが悪くなると栄養が運ばれにくくなってしまいます。日本人は昔は動物性の肉を食べず、魚を食べていたので健康的でした。今では食の欧米化が進み、動物肉を摂取るようになたので飽和脂肪酸摂取量も増えてしまっています。世界ではヘルシーな日本食が注目を浴びています。我々日本人も日本の伝統食に立ち戻る必要があるかもしれません。
まとめ
・ガンの原因は生活習慣によるところが大きい
・アメリカではガンが減ってきている
・ガンになる4つの生活習慣は「塩分摂取過剰」「野菜、果物不足」「ストレスによる活性酸素」「動物性脂質の過剰」
・食の欧米化が進む中で、健康のためにも日本食に立ち戻る必要性がある