「バランスの良い食事って、具体的にどうやってとればいいの?」
このページはこんな悩みや疑問も持つ人に向けて作成しています。
管理栄養士のタイゾーです。
私たちが健康を保ったり、病気にならないためには、日頃からバランスの良い食生活をする必要があります。
なぜならカラダの健康をたもつためには、食品に含まれる色々な栄養素が必要になってくるからです。
「この栄養素だけ摂ってればいい!」というものは存在しません。
特定のメニューや食材ばかり食べていると不足したり、過剰になってくる栄養素が出てカラダの栄養バランスが崩れ、体調を崩しやすくなります。
したがって「食事はバランス良く」という言葉が使われるわけです。
ただ問題があります。
それは「バランスの良い食事ってどうやったらとれるの?」
ということです。
栄養学を勉強している人であれば、綿密な計画のもと食事メニューを組んでいけるのでしょうが、一般の人には何をどうしていいか分からない人が多いと思います。
よってこのページでは、食事をバランス良く食べるための具体的な手法について管理栄養士の観点からお伝えしていきます。
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特定の食品やメニューを食べ続けるのはダメ
当サイトでも、特定の食品の効果効能についてご紹介しています。
これらのページを読まれた方の中には
「この食品を食べればいいんだ!」
と思って、その食材だけを食べ続けるという方がいらっしゃいます。
もちろん、健康に役立つ食品は多く存在しますが、特定の食品だけを食べるという事はやめて下さい。
なぜなら特定の食品やメニューを食べ続ける事で栄養素のバランスが偏り、健康に必要な栄養素が摂れていないという事態が発生する可能性があるからです。
このような事が起こると、「健康のために」と思ってせっかく実践していた食事で逆に体調を崩すことになります。
そこで覚えておいて欲しいのは、『健康な食生活をおくるには、色々な食材を食べよう』という事です。
冒頭でも解説しているように、私たちが健康でいるためには色々な栄養素を摂取する必要があります。
ひとつひとつの食材には色々な栄養素が含まれていますが、必要な栄養素を全て含む『パーフェクトな食材』は存在しないのです。
したがって色々な食材を食べることで、必要な栄養素が補給でき、病気の予防につながるのです。
健康は『栄養素のチームワーク』で成り立っています。
特定の食材だけに偏らないようにしましょう。
健康にはどんな栄養素が必要なの?
バランスの良い食事を摂る方法を学ぶ前に、私たちはどんな栄養素を摂る必要があるのかを学んでおきましょう。
知っているという方は飛ばして読み進めてもらえればOKです。
先に健康は栄養素のチームワークで成り立つことを紹介しましたが、具体的に必要な栄養素には以下のようなものがあります。
- 炭水化物
- タンパク質
- 脂質
- ビタミン
- ミネラル
- 食物繊維
上記の栄養素を満たしている食事が『バランスの良い食事』という事になります。
これらの他にもポリフェノールなどの機能性成分が必要という見解もありますが、基本的には上記6つの栄養素を意識するようにしましょう。
上にあげた栄養素のうち、炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルをあわせて『5大栄養素』といいます。
これらの栄養素は健康のための基本中の基本の栄養素と言えます。
また、食物繊維もその健康効果から『第6の栄養素』と呼ばれるようになりました。
それではそれぞれの栄養素がどのようなものか解説していきましょう。
炭水化物
炭水化物は、厳密に言えば『糖質+食物繊維』で出来ています。
炭水化物量=糖質量ではないので注意して下さい。
近年は糖質制限ダイエットが広く知られるようになったことから『炭水化物=悪者』というようなイメージを持つ人もいるかもしれません。
確かに『普段摂りすぎている分』の炭水化物を制限するのであれば賛成ですが、摂取量を0gに近づけるような極端な糖質制限には賛同出来ません。
なぜなら炭水化物は決して悪いものでなく、必要な栄養素だからです。
炭水化物は、私たちが生きるために必要な『エネルギー』を効率よく産み出すために利用される栄養素です。
エネルギーになる栄養素は炭水化物の他にもタンパク質、脂質とありますが、これらの中で一番効率よくエネルギー利用できるのが炭水化物なのです。
私たちは生きるために絶えずエネルギーを産み出しています。
このエネルギーが効率良く産み出されることによって仕事や勉強、運動でパフォーマンスを発揮することができるのです。
もちろん、過剰に摂りすぎれば脂肪として蓄積するという側面はあります。しかし、炭水化物の摂取は決して悪いわけではなく、適正範囲内で必要であるという理解をして下さい。
タンパク質
タンパク質はバランスの良い食事に欠かせない栄養素のひとつです。
タンパク質は私たちの筋肉をはじめ、カラダを作り上げるために利用され、不足してしまうと筋肉が減少したり、病気や疲れが改善しなかったりと様々なデメリットがあります。
普段カロリーは多く摂取していても、そのほとんどが『炭水化物』と『脂質』に偏っている場合、カラダを作るために必要なタンパク質が摂取できていないという事態が発生します。
タンパク質を多く含む食材は『卵・肉・魚・大豆』です。これらの食品を食事に必ず入れるようにしましょう。
脂質
脂質を摂取することに抵抗感を持っている人も多いと思いますが、脂質は選んで摂れば多くの健康効果をもたらしてくれます。
脂質は様々な種類がありますが、積極的に摂取してもらいたいのが『不飽和脂肪酸(オメガ脂肪酸)』という脂質です。
不飽和脂肪酸は『必須脂肪酸』という、食事で必ず補わなければならない脂質に位置づけられています。
健康効果としては『LDLコレステロール(悪玉コレステロール)』を減らしたり、『HDLコレステロール(善玉コレステロール)』を増やすことで脳梗塞や心筋梗塞の原因となる動脈硬化を予防する効果があります。
またEPA、DHAといったオメガ3脂肪酸には脳の働きを活性化するという役割もあります。
これらを知って頂くと、脂質は選んで摂れば血管の健康を保つだけでなく、脳の活性化にも役立つことがわかります。
では不飽和脂肪酸はどのような食品に多く含まれているかというと、カツオ、イワシといった『青魚』や『オリーブオイル』、『エゴマ油』などです。
ビタミン
ビタミンには色々な種類があり、働きも違いがありますが、一般的な知識としては『健康のサポート役』と思って下さい。
先に紹介した炭水化物・タンパク質・脂質の3大栄養素を体内でスムーズに利用(代謝)するためのサポートをしてくれます。
また、中には不足することで欠乏症がでるものもあるため、過不足のないように摂取していく必要があります。
ビタミンは様々な栄養素に含まれますが、肉・魚、野菜、果物をバランス良く食べることで摂取していけます。
ミネラル
ミネラルは私たちのカラダの約5%ほどを占めている栄養素で、主にカラダの機能の調整役をしています。
微量栄養素という名前がついているように多く摂取する必要はありませんが、カラダを動かすための神経伝達や歯や骨の形成にも関わっているため、必要な栄養素であることは間違いありません。
ミネラルは基本的に野菜や果物類に多く含まれています。したがって野菜を多く食べる食事習慣を送ればミネラル不足にはなりにくいでしょう。
食物繊維
食物繊維は野菜に多く含まれている栄養素で『第6の栄養素』と呼ばれています。
食物繊維を摂るメリットは腸内環境を整えることです。
食物繊維はこらら腸内細菌のエサになることで、腸内環境を良くする効果があります。
腸内環境を良くすることで免疫力アップが期待できるため、夏風邪予防のためにも食物繊維の摂取はオススメです。
この他にも、食物繊維は排便をスムーズにしたり、血糖値の上昇を緩やかにしてくれるといった様々な健康効果をもたらしてくれる栄養素です。
バランスの良い食事を簡単に摂れるようになる4つの方法
さて、ここから本題のバランスの良い食事を摂る具体的な方法についてご紹介していきます。
「結局何をどう食べればいいの?」
と疑問に思う方のために、抑えておきたい食事のポイントを以下の4つにまとめました。
- メニューに肉・魚・大豆製品を1品は入れる
- 炭水化物だらけというメニューは避ける
- 野菜は1日350gを目標に食べる
- 3食のうち1食は魚を食べる
これらは実際に自分が実践している食事法です。暴飲暴食をしている人であれば、上記のポイントを抑えれば格段に食事のバランスが良くなるはずです。
それぞれを詳しく解説していきましょう。
メニューに肉・魚・大豆製品を1品は入れる
カラダの回復や免疫力を上げるためには、タンパク質の摂取が必要です。
タンパク質は特に肉・魚・卵・大豆に多く含まれるため、これらの食品を朝昼晩の3食それぞれに1品は入れるようにしましょう。
ただ、注意したいのは『朝:肉、昼:肉、夜:肉』といった偏った選び方はNGです。
色んな種類の食材を摂ったほうが栄養のバランスはとりやすいので、『朝:卵、昼:魚、夜:肉』といった感じにバラバラになるように食材を選択すると良いでしょう。
炭水化物だらけというメニューは避ける
炭水化物が私たちにとって役立つ栄養であることは間違いありません。
しかし、過剰に摂取することで肥満を始め様々な病気の原因となるため、適正範囲内で食べていく必要があります。
では具体的に気をつける方法というのが、炭水化物は1品に絞るということです。
たとえば、中華料理店にいくと『ラーメン+チャーハン』というメニューを選ぶ人も多いかと思います。
美味しいので食べたい気持ちはわかるのですが、このメニューだと主に炭水化物+炭水化物+脂質で構成されているため、タンパク質、ビタミン、ミネラル、食物繊維といったその他の栄養のバランスが不足してしまいます。
ハイカロリーという点だけみれば、栄養価が高いと言えなくもないですが、健康的な栄養バランスとは言えません。
そこで1回の食事メニューで炭水化物が多く含まれる料理は1品に絞るようにしてください。
ラーメンを食べる場合は、チャーハンではなくサラダや野菜炒めなど炭水化物の少ないメニューを選ぶようにしましょう。
特に外食メニューを選ぶ時は『定食』を選んだ方がバランスがとりやすいのでオススメです。
炭水化物はどれくらい摂れば良い?
「炭水化物はどれくらい摂るのが良い?」という方のために補足しておきます。
肥満防止のために糖質制限をしているという人もいるでしょうが、基本的に炭水化物は150gは摂ることをおススメします。
糖質を含んでいる炭水化物は、摂りすぎれば肥満を招きますが、少なすぎても「頭が回らない」「イライラする」「眠れない」といった悩みがでる可能性があります。
炭水化物は、あくまで必要なものですから、1日150gは摂ることをおススメします。
野菜は1日350gを目標に食べる
厚生労働省が定める『健康日本21』では、1日に350gの野菜を食べる事が目標に定められています。
現在、日本の成人の野菜摂取量は約290g程度であり、目標値の350gには60gほど足りていないとされています。
野菜350gという量は、実際に目にすれば「かなり多いな・・・」と思う量です。
しかし、野菜はビタミン、ミネラル、食物繊維などの健康にかかせない栄養素の宝庫であるのは事実。
そこで毎食の食事に、必ず1品はサラダやお浸しなど野菜の料理を『意識して』取り入れるようにしましょう。
もし「どうしても野菜を食べたくない!」なんて人は、果物を食事に取り入れてください。
リンゴ、バナナ、柑橘類などの身近なフルーツでもビタミンやミネラルを補給できます。
ただし、フルーツは糖質も多く含まれていますから、基本的には野菜を意識して食べて欲しいです。
3食のうち1食は魚を食べる
3食のうち最低1食は魚を選びたいところ。
というのも、魚はタンパク質や、オメガ脂肪酸などの良質な脂質がたっぷりと含まれているからです。
特に魚の中でも、イワシ、サバなどの青魚は、血管の健康に役立つオメガ脂肪酸が豊富でおススメです。
肉もタンパク質豊富で素晴らしい食材ですが、脂質という点では魚が非常に優れていますので、3食のうち1食は魚を選ぶことをおススメします。
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