『ボリュメトリクス』という名前をご存知でしょうか?
ボリュメトリクスとはアメリカ発のダイエット法のことで、『お腹いっぱい食べてダイエットができる』というのが特徴です。
ダイエットをするときに、絶対に必要とも言えるのが食事のコントロール。
糖質を制限したり、カロリーを制限したり、とにかく空腹に悩まされている人もいるのでは。
「ダイエット中でもお腹いっぱい食べたい」
そんな方は、満足感の得やすいボリュメトリクスダイエットを取り入れるのも良いかもしれません。
このページでは、アメリカ発のボリュメトリクスに管理栄養士としてのおすすめアレンジを加えて解説していきます。
ボリュメトリクスとは、いっぱい食べて痩せられるダイエット法
ボリュメトリクスダイエットをはじめて知る人もいるでしょう。
ボリュメトリクスとは、ペンシルベニア州立大学のバーバラ・ローズ教授が提唱したアメリカ発のダイエット法のことをいいます。
ダイエットを実践した人の中には、カロリーを気にしすぎて食事量が減ってしまい、空腹に悩まされる人が中にはいます。
確かにダイエットには我慢は必要ですが、空腹が続くとストレスも増え、ダイエット後のリバウンドにもつながってしまいます。
一方、バーバラ・ローズ教授が提唱するボリュメトリクスは、空腹に悩まされることなくお腹いっぱいに食べてダイエットできるのが最大のメリットと言えるでしょう。
なぜ、ダイエット中にも関わらずお腹いっぱいに食べる事ができるのか。
それは『カロリー密度(CD)』が関わっています。
詳しくは後述しますが、このカロリー密度を考えながら食材を選んでいくことで、おなかいっぱい食べてダイエットができるということです。
カロリー密度って何?
カロリー密度(CD)と言われてもピンと来ない方も多いでしょう。
カロリー密度とは、食材1gあたりに含まれるカロリーのことをいいます。 ※以下、カロリー密度のことを『CD』で表記。
当たり前かもしれませんが、食品によって同じ重さでもカロリーが違ってきます。
たとえば、リンゴ1gとポテトチップス1gでは、ポテトチップスのカロリーのが多くなります。
これはポテトチップスが油で揚げられており、リンゴに比べて脂質が多いからです。
一方、リンゴは糖分はあるものの水分が多く、脂質も少ないのでCDは低くなります。
このように重量は同じでも、食品によってCDは変わってくるのです。
つまり、CDの低い食品を選んでいけば、たくさん食べてダイエットができるというのがボリュメトリクス。
ボリュメトリクスの食材選びのポイント
ボリュメトリクスの考え方では、CDの低いものを選んで食べていけば良い。
しかし、つねに食材のCD(カロリー密度)を計算するのも面倒ですよね。
そこで低CD食品を選ぶためのポイントをまとめました。以下のポイントを押さえて食材を選べばボリュメトリクスを実行しやすくなります。
- 水分が多い食材、野菜はたっぷり食べるべし
- 肉は食べてもOK!脂質が少ない部位を
- 食物繊維が多いキノコはおススメ
水分が多い食材、野菜はたっぷり食べるべし
水はカロリーがゼロであるため、当然ながら水分が多い食材はCDの値も低くなります。
水分の多い食材の代表は野菜や果物。したがってボリュメトリクスでは野菜を多く摂取していくことが重要になってきます。
特にダイエット中の野菜の摂取は重要で、CDが低いだでなく、代謝アップに利用されるビタミン類などの宝庫。
厚生労働省が定める健康日本21では1日に350gの野菜を摂ることが推奨されています。
350gはかなりハードルが高い量かもしれませんが、少なくとも200g以上は摂取するようにしましょう。
ただ、野菜の中でも、カボチャやジャガイモなどのイモ類は注意。NG食材ではありませんが、糖質もいっぱい含まれているので摂りすぎには注意したい食材です。
肉は食べてもOK!脂質が少ない部位を
食材に含まれる脂質が多いほど、CDの値は高くなります。
これは脂質のカロリーが1g=9kcalで、糖質・タンパク質が1g=4kcalであることに比べると倍以上のカロリーを持つためです。
したがってポテトチップスや、トンカツなどの揚げ物系はCDがハネ上がってしまうためNG。
また、肉類は脂質が多いのでボリュメトリクスからいうとNGと思いがちですが、肉は部位を選べば問題ありません。
牛や豚なら、脂質の多いロースやカルビは避け、ヒレ肉など赤身が多い部位を選んで食べればCDを抑えることができます。
豚ロース:2.6CD 豚ヒレ:1.3CD
鶏肉の場合であれば、もも肉ではなく、胸肉やササミを選べばCDを下げれますし、もも肉も皮を食べなければOKです。
食物繊維が多いキノコがおススメ!
カロリーが低い食物繊維を多く含む食材も、低CD食品です。
野菜は総じて食物繊維を含みますが、中でも『キノコ類』は非常におススメです。
ボリュメトリクスに適した食材
先に紹介したポイントを踏まえたうえで、ボリュメトリクスダイエットにおススメの食材をまとめておきます。
- 野菜類全般
- キノコ類
- 海藻
- 鶏ムネ肉、ササミ
- ヒレ肉
- マグロ赤身
ボリュメトリクスの調理ポイント
ボリュメトリクスのポイントは食材選びだけではありません。
調理の仕方を工夫することで、CDを抑えることが可能です。
逆に調理法を間違えてしまうとCDが上がってしまうこともあるため、ここからは調理でのポイントをおさえていきましょう。
肉の調理は焼く・茹でる・煮る
肉は部位を選ぶことが重要であることを先ほどご紹介しましたが、調理にもポイントがあります。
基本的にに焼き物や煮物、蒸しものなど油を使わない調理法がおススメ。
フライパンを使う炒め物や揚げ物は、油を使うためどうしてもCDの値が高くなってしまいます。
主食はパンよりも米!さらに調理法で工夫を
ダイエットに糖質制限を取り入れている人も多いでしょうが、ボリュメトリクスの考え方では糖質は食べてもOK。
ただ、糖質が含まれる食品も低CDを意識することが必要です。
多くの日本人が食べる糖質が多く含まれる食品といえば、米やパンですが、低CDを意識するなら米を選びたいところです。
パンは作る工程でバターなどの油脂類が使われているため、CDが高くなります。
一方の米は、炊いて食べると水分も多いためパンよりもCDが低くなるのです。
しかし、だからといって米をいくらでも食べて良いわけではありません。
低CDといえども、糖質を過剰に摂れば肥満を招いてしまうため、1食に食べるのは茶碗1杯までを心がけましょう。
また、調理法についてもチャーハンやピラフといった油を使う調理法はNG。
雑炊にすることで、水分が加わわりCDを下げることができます。
ボリュメトリクスはどれくらい行えば良い?
はじめは三食のうち一食をボリュメトリクスの食事にすることをおススメします。
三食をボリュメトリクスにすれば、より効果が期待できますが、継続できなければ意味がありません。
ボリュメトリクスは他のダイエット法に比べてお腹いっぱいに食べれるので満足感は得やすいですが、食事が変わればストレスがかかります。
そこで継続しやすいように、まずは三食のうち一食をボリュメトリクスメニューにしてみてください。
特に消費カロリーが落ちる夜の食事にボリュメトリクスを取り入れると良いでしょう。