ヒジキの危険性や副作用
「ひじきの食べすぎって危険?」

「ひじきって副作用ある?」

このページはそんな疑問を持つ方に向けて管理栄養士が作成しています。

私たち日本人が古くから食べている食品「ひじき」。

実は2004年に英国食品規格庁から「健康を害するため食べないほうが良い」という勧告がでているのをご存知でしょうか。

しかし、日本人でこの事実を知っている人は少なく当たり前のようにヒジキを食べています。

そこでこのページではヒジキの安全性についてご紹介していきます。

ひじきってどんな食品?

ひじきの安全性について解説する前に、そもそもひじきがどんな食品なのかご紹介しておきます。

ひじきは海藻の一種で、北海道から九州地区にかけて分布していますが、国内で販売されているひじきのほとんどは中国や韓国産が大部分を占めます。

含まれる栄養素としては、食物繊維やカリウム、カルシウム、鉄分といったミネラル類が豊富に含まれています。

食物繊維は腸内環境や便通を良くする効果があり、ミネラルは私たちの体の調整役をになうため、食事メニューの副菜として取り入れられることが多い食品です。

また、『フコキサンチン』という成分が微量に含まれており、脂肪燃焼効果を持ちます。

「ヒジキはカラダに悪い」英国で勧告

冒頭に紹介しましたが、2004年7月28日に英国の食品規格庁(Food Standards Agency)が「ひじきは食べない方がよい」とする勧告を英国民に対して行っています。

なぜひじきが健康を害する可能性があるのでしょうか。

その理由は、ひじきに含まれる「無機ヒ素」にあります。

ヒ素とは殺鼠剤や農薬などに使われるもので、簡単にいえば毒物です。

このヒ素には「有機ヒ素」と「無機ヒ素」という種類があり、無機ヒ素の方が毒性が強く発がんリスクがあるとされています。

英国食品規格庁は、カナダの食品検査庁(Canadian Food Inspection Agency)の報告を受け、ロンドンで販売されている海藻類の総ヒ素量、無機ヒ素濃度を測定しました。すると、ひじきに特に多く無機ヒ素が含まれていることが判明。

健康被害への懸念から、あえてヒジキを食べないよう勧告を行ったのです。

ひじきは食べて安全?

ここまでの内容を読んで頂いた方の中には「ひじき怖いな」と思った方もいるかもしれません。

結局ひじきは食べても良いのかというと、極端に多く食べなければ問題ないというのが現在の結論です。

厚生労働省も『極端に多く摂取するのではなく、バランスの良い食生活を心がければ健康上のリスクが高まることはない』としています。

まず、そもそも日本人は、ひじきを健康被害が起きるほど食べてはいないのです。

厚生労働省が行った平成14の国民栄養調査によると、日本人の1日あたりの海藻(わかめ、昆布、海苔なども含む)の摂取量が14.6g。このうちヒジキが占めている割合は6.1%。

ここから推定すると、日本人が1日にひじきを食べる量は約0.9gであることが発表されています。

つまり1週間で6.3g。

この1日0.9g、1週間で6.3gというヒジキの摂取量が危険なのかどうか。

実はWHO(世界保健機関)が無機ヒ素に関する『暫定的耐用週間摂取量(PTWI)』という数値を設定しています。厚生労働省の発表からまとめると、暫定的耐用週間摂取量は15㎍/kg体重/週となっており、これを体重50kgの人を例にすると、1週間で33g、一日に4.7g以上を継続的に食べない限り、WHOが定めるヒ素の量を超える事はないとしています。

この内容からいうと、日本人は1日0.9g、1週間で6.3g程度ですからWHOの値よりかなり低いヒ素摂取量であるといえます。

また同省は、『海藻中に含まれるヒ素によるヒ素中毒の健康被害が起きたとの報告はない』と発表しています。

つまり、食事の小鉢程度の量を摂取するならば問題ないありません。

ただ、無機ヒ素が含まれていることは確証が高いですから、毎日どんぶり1杯分のひじきを食べるなんてことはやめてください。

また、がんリスクを極力減らしたいという方であれば食べないようにするのも手かもしれません。

ヒジキを安全に調理する方法

先に紹介したように大量に食べるとリスクがあるものの、ヒジキは食物繊維や各種ミネラルを豊富に含んでいるため、副菜程度(小鉢程度)に食べる分には健康に良い食品です。

そこでヒ素が心配な方のために、ヒジキのヒ素リスクを減らす調理法をご紹介しておきます。

以下の方法は東京都福祉保健局が奨励している方法です。

1.乾燥ヒジキは30分以上水戻しする

乾燥したヒジキは、通常水に付け込んで『水戻し』して調理をします。

この水戻しこそが、ヒジキに含まれるヒ素の量を減らすことにつながります。

重要なのは、たっぷりの水に30分以上、できれば1時間は水戻しすることです。

これによって、30分で35%程度、1時間では68%程度のヒ素が溶け出すことがわかっています。

2.水戻しで使った水は捨てる

たまに、水戻しで使った水を「良いダシがでるから」といって使う人がいますが、これはNG行為。

水戻しで残った水にはヒ素が溶け出しているため、調理に使っては意味がありません。しっかりと捨てましょう。

3.水戻し後は洗って水気を切る

水戻しが終わっても安心はできません。ボールに水をはり、ヒジキを2~3回程度洗うようにしましょう。また、洗ったあとはキッチンペーパーなどで水気をとるとなお良し。

4.5分茹でるとさらにヒ素は減少

水戻しだけでもヒ素は減りますが、茹でることでよりヒ素が減少することがわかっています。

もし徹底的に行いたいなら2の水戻し後に、5分ほど茹でるようにすると良いでしょう。

どんな食品も過剰のリスクはある

このページではひじきの安全性について取り上げましたが、ひじきだけで無く、どんな食品も極端に多く取れば過剰症や副作用のリスクはあります。

私たちのカラダは様々な種類の栄養素がバランスを取り合いながら作られています。したがって特定の食品だけ食べるのではなく、色々な食品をバランス良くとることが重要なのです。

参考にさせて頂いた文献

厚生労働省 ヒジキ中のヒ素に関するQ&A http://www.mhlw.go.jp/topics/2004/07/tp0730-1.html

東京都福祉保健局 食品衛生の窓 ひじきに含まれるヒ素 http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/anzen_info/hijiki.html