突然の病、医療費はいくら?

生活費がどんどん値上げしている中、医療費も実は値上げしていることをみなさんはご存じですか?

この2022年10月より原則1割負担だった75歳以上の世帯も、年収が単身200万円、夫婦で320万円以上ならば、2割負担となりました。ただでさえ物価高騰が続く昨今、日々の生活が苦しくなっていく一方ですね。
しかし、病気という病はいつ誰に襲ってくるか分かりません。
世の中には様々な病気がありますが、今回私が感じた長期治療が必要となりそうな3つの病気の医療費について見ていこうと思います。

参考:おとなの週刊現代

■長期治療が必要な病気3選

【がん】

最も代表的な病気ですね。部位やがんの進行具合によっても治療にかかる医療費は異なりますが、手術が必要になるステージⅡ、Ⅲのがんの場合で見ます。
手術費用は診療報酬ベースで80万円から120万円ほどになります。
3割負担の方の場合、入院費用と合わせて50万円から80万円払えば、手術が受けられるそうです。また最近ポピュラーになってきた腹腔鏡手術だと入院日数も少なく、手術費、入院費もそれほどかからないそうです。
50万円から80万円という数字に「意外と安い」と思われる方もいると思いますが、がんが転移していたり、難しい術式、糖尿病などの基礎疾患をもっている方は、それ以上にかかります。

さらに新薬や先進医療を手術と併用するケースも増えています。そちらも以前よりは安くなったものの、3割負担の場合で、一回8万円から15万円を半年ほど続けなければなりません。結構な医療費ですよね。高額医療費制度が無ければ、かなりの出費と言えるでしょう。

すい臓、肝臓、前立腺などの臓器のがんは先進医療の粒子線治療が有効になります。この粒子線治療は、医師が切除不能と判断しなければ、全額自己負担となる治療です。言葉通り、粒子線を照射する治療ですが、照射回数を問わず、総額314万円から350万円もかかるそうです。これには私もびっくりでした。

【糖尿病、腎不全】

こちらの病気は完治するのが難しい上に、治療期間も長くかかります。治療期間が長くなると、必然的に医療費もかかりますよね。症状が重い場合は自分でインスリンを自動で投入するインスリンポンプ治療を10年、20年と続けるそうです。費用は月に1万2千円から2万5千円ほどかかります。それが10年、20年と続くとかなり大きな金額になりますね。
さらに症状が悪化すると週3回のペースで人工透析を受けなければなりません。こちらは月に通常1万円から2万円の自己負担額のようですが、止めることはできません。週に3回通院し、4時間から5時間安静にしなければならないので、仕事を続けるのが困難になります。働けなくなると余計に家計を圧迫し、確実に生活が厳しくなりますね。

【認知症】

近年増え続けている認知症は、「いつか自分もかかってしまうのでは?」と誰もが不安になる病気のひとつですね。
また、こちらも長期期間付き合っていかなければならない病気で、慢性的な支出が必要という点では、かなりの高額が予想されます。
実は認知症そのもので必要となる検査費用や薬代はそんなにかからないようですが、それ以外の費用が大きいとされています。
介護付き老人ホームに5年間入所すれば、一時金と入居費をあわせて、平均でも1,000万円かかるといわれています。老後のための資金が一気になくなってしまう金額です。
認知症の余命はおよそ8年から12年で、その間施設に入居されている期間の平均は4年だそうです。施設によっては各サービスやリハビリにも追加料金がかかるところもあり、入所前にしっかりご家族で検討する必要があります。

■まとめ

今回この記事を書かせていただく中で、私自身、改めて病気に対する考え方が変わりました。人ごとではありません。
ご紹介した病気は誰もが耳にしたことがある病気で、イメージもしやすかったように思います。しかしそれ以外にもたくさんの病気があります。今回のお話で触れていませんが、心疾患も症状によっては、かなりの医療費や長期治療が必要なケースもあります。
「まだまだ先」、「若いから大丈夫」という気持ちは捨てて、自分自身の生活を見直すきっかけになればと思います。