日本人の主食である『お米』。
一般的には精白した白米として食べる人が多いと思います。
しかし、健康のために精白する前の『玄米』を取り入れてはどうでしょうか。
実際に私も玄米食を実践していますが、健康面でのメリットが多くあります。
そこで今回は玄米食で得られるメリットや効果について管理栄養士がご紹介していきます。
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そもそも玄米ってどんなもの?
まず、玄米がどのような食品かを簡単にご紹介しておきましょう。
先にも触れましたが、田んぼから収穫されたお米を精白したものを白米、精白する前の段階のものを玄米といいます。
精白する時に様々な栄養素がはがれ落ちてしまうため、当然ながら玄米の方が栄養素の含有量が多くなります。
では、白米を玄米に置き換えることで得られる5つのメリットを管理栄養士の視点からご紹介していきましょう。
1.血糖値が上がりにくい
まず、玄米は白米に比べ血糖値の上がり方が緩でることがメリットです。
これは『GI値』を見れば明らかです。
GI値とは、簡単にいうと血糖値の上がりやすさを数値かしたものになります。数値が高いほど血糖値が上がりやすいことを示しています。
主な主食のGI値を下記にまとめてみたので見てみて下さい。
食品名 | GI値 |
玄米 | 58 |
精白米 | 84 |
餅 | 85 |
食パン | 91 |
この表を見ると、精白米のGI値は84に対して、玄米は58になっていますから玄米の方が血糖値が上がりにくい事がわかりますね。
血糖値が急上昇するような食生活が続くと血管に負担がかかったり、急な眠気に襲われるなどのデメリットがあります。
また、血糖値が急上昇するとインスリンというホルモンが大量に分泌され、今度は血糖値が急下降します。するとまた甘いものが食べたくなって肥満につながる可能性があります。
アスリートなど、すぐにエネルギー利用したい人にとっては有効な場合も多々ありますが、健康面で言えば血糖値の急上昇は避けたいものなのです。
よって血糖値の上がり方から言っても白米より玄米の方がメリットがあります。
2.便秘対策に
玄米食のメリットその2は便秘予防に役立つことです。
これは玄米は白米に比べ多くの食物繊維を含んでいるからです。
食物繊維は第6の栄養素とも言われていますが、お通じの悩みや腸内環境など、私たちの健康維持に重要な役割を果たしています。
具体的には便の量を増やし腸に刺激を与えることで、蠕動運動(排泄物を移動させる)を活発にしたり、腸内細菌のエサになることで腸内環境の健康維持に役立ってくれるのです。
食事摂取基準では、1日に摂取したい食物繊維目標量は男性:20g以上、女性:18g以上と設定されており、食物繊維の積極的な摂取が必要となっています。
では、玄米と白米の食物繊維量はどうかというと下記のような含有量になっています。
1膳あたり | 食物繊維量 |
玄米 | 2.3g |
白米 | 0.48g |
これを見てわかるように玄米は白米と比べ5倍近い食物繊維量を誇っていますね。よって、白米を玄米に置き換えるだけでも1日の食物繊維量をアップさせることが可能になるのです。(もちろん玄米だけでなく野菜類も摂取して目標量クリアを目指しましょう)
3.腹持ちが良い
玄米は白米に比べて腹持ちが良いのもメリットのひとつです。
玄米は白米に比べ消化するのに時間がかかり、白米に比べると腹持ちが良いのです。
実際に私も玄米食を実践していますが、白米を食べる時よりも腹持ちは非常に良く、空腹感が襲ってくるまでの時間が長いと感じています。
よって仕事が忙しく食事の間隔が空き過ぎてしまうような方や、間食を控えたいというダイエッターにも強い味方です。
4.ダイエットのサポートに
白米を玄米に置き換えることでダイエットのサポートにも役立ちます。
この理由としては玄米は白米に比べビタミンB群の含有量が非常に多いからです。
下記に玄米と白米の一膳あたり(150g)のビタミンB群含有量をまとめてみましたので見て下さい。
玄米 | 白米飯 | |
ビタミンB1 | 0.26mg | 0.03mg |
ビタミンB2 | 0.03mg | 0.02mg |
ビタミンB6 | 0.34mg | 0.03mg |
ナイアシン | 4.64mg | 0.32mg |
葉酸 | 16㎍ | 4.8㎍ |
全体的に玄米と白米ではビタミンB含有量にかなり差があり、玄米のが優れているのがわかります。
※ビタミンBをどれくらい摂れば良いか知りたい人は『栄養素ってどれくらい摂れば良いか』がまるわかり!食事摂取基準を参考にしてください。
なぜダイエットサポートにビタミンB群が良いのかというと、ビタミンB群は糖質、タンパク質、脂質の3大栄養素をエネルギーとして燃焼する時にサポートとして使われる栄養素だからです。ビタミンB自体に脂肪燃焼効果がある訳ではありませんが、ダイエット中はエネルギーを効率発生させ代謝を高める必要があるため、『サポート役』という点では玄米は優秀な主食と言えるでしょう。
また、先にも触れたように白米と比べると腹持ちが良いため、ダイエット中の空腹対策にもなってくれます。
5.疲れの悩みに
「疲れで悩んでいる」という人にも玄米食はおススメ。
疲れの原因は様々ですが、疲れを解消するには食事から栄養を補給し、エネルギーを十分に発生させてやる必要があります。
その点では、玄米はエネルギーを効率よく作り出すための糖質とビタミンB群が豊富ですから疲労を感じる時に摂取するのは良いでしょう。
糖質は、糖質・脂質・タンパク質の3大栄養素の中で一番効率よくエネルギー源として利用されますし、ビタミンB群は先にも触れたようにエネルギーを作り出すのを効率よくサポートしてくれます。
また、疲労回復のためには玄米だけでなく肉・魚・大豆といったカラダの材料となるタンパク源を補えばさらにバランスは良くなります。
白米が悪い訳ではない
白米を玄米に置き換えるメリットについてご紹介しましたが、白米が悪いという事ではありません。
白米のGI値が高いという点でいえば、運動をする人や肉体労働者など身体活動レベルが高い人がすぐにエネルギーを補給したい時には優れた食材ですし、他の主食であるパンに比べれば脂質やカロリーが少ないので健康的です。
また、玄米は食物繊維量も多いので消化吸収を考ると、白米のが消化に良いという側面もあります。よって胃腸の調子が悪い時は玄米よりも白米のが適している場合も多々あるのです。
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