糖質制限ダイエットの危険性
管理栄養士のタイゾーです。

若い方の中には食事の「糖質」を極端に制限した「糖質制限ダイエット」を行っている方もいるのではないでしょうか。

確かに、食事から糖質を排除した場合、体重はみるみる落ちていきます。しかし極端に痩せるダイエット方法というのは、それ相応の「リスク」も存在すると思って下さい。

特に18歳以下の若者や子供が糖質制限ダイエットをするのは危険なので止めた方が良いです。また、糖質制限をしている子供の親はやめさせた方が良いと思います。

なぜ子供が糖質制限ダイエットをしない方が良いのか、このページで詳しく解説していくので参考にして下さい。

糖質制限ダイエットとは

そもそも糖質制限ダイエットとはどのようなダイエット法なのかをご紹介しておきます。

やり方は人によって違ってきますが、基本的には1日に摂る食事の中から「糖質」を摂らないようにするダイエット法です。

そもそも糖質とは何なのか

糖質制限ダイエット危険性
子供に限らず、糖質制限をしている方の多くが「糖質」という栄養素の役割を正しく認識していません。むやみに制限してしまうと体調を崩しかねないので、ここで糖質の役割を解説しておきます。

糖質はエネルギー源

そもそも糖質とは「ご飯」「パン」「麺」など、いわゆる「主食」に多く含まれる成分です。私達日本人はもともと1日の食事の約60%を糖質で摂取しています。

なぜ60%も糖質で摂っているのかというと、それはエネルギー源を補給するためです。

車はガソリンが無くては走らないように、私達人間もエネルギーが無くてはカラダを動かす事ができません。そのエネルギーの源になるのが、何を隠そう「糖質」という栄養素なのです。

つまり糖質が極端に制限されてしまうとカラダが上手く動かず、「疲れやすい」「カラダが重い」といった症状が出てしまうのです。したがって糖質は必ず摂取しなければならない栄養素と言えます。

ケトン体がエネルギー源になるっていうけど・・・

糖質制限をしているとエネルギー源が無くなります。しかし、糖質制限ダイエットを推奨している方の中には「糖質がなくても、ケトン体がエネルギー源になるから大丈夫」と言う人がいます。

ケトン体とは何かというと、糖質が無くなった場合、糖質の代わりにエネルギーとして使われるものです。

人間は、体内で糖質が枯渇すると脂肪を分解して「ケトン体」という物質を作り出します。これがカラダや脳を動かすためのエネルギー源の役割を果たすわけですが、残念ながら糖質と比べるとエネルギー効率が悪いのです。

子供の糖質制限ダイエットは危険

糖質制限ダイエットは「体力が十分な大人」が行うならまだしも、発育途上にある子供がやるものではありません。

子供はカラダを完成するために多くの栄養を必要とします。その中で必ず摂取しなくてはならない糖質が少なくなってしまうとカラダの発育に悪影響を及ぼす可能性があります。

次に、子供が糖質を制限することで起こるリスクを紹介していきます。

子供の勉強に悪影響

子供が糖質を制限した場合、勉強に悪影響を及ぼす可能性があります。

効率よく勉強をして成績を上げるためには、脳がフル稼働する必要があります。脳がしっかり機能する事で記憶力・思考力・判断力といった勉強に必要な力が発揮されます。

ではこの脳を働かせるために必要な栄養素が何かというと、糖質なのです。脳は事情に大食漢のため、エネルギーとなる糖質が少なくなると上手く働かなくなってしまいます。

ケトン体でも脳のエネルギー源にはなりますが、糖質と比べると効率が悪いため、勉強の効率が低下する恐れがあります。

子供の成績を上げるためにもしっかりと糖質を摂取する必要があります。

運動のパフォーマンスが落ちる

部活など運動を日々行っているお子さんは多いでしょう。運動のパフォーマンスを上げるためには糖質はなくてはならないものです。

先に紹介した通り、糖質はカラダを動かすためのエネルギー源になります。つまりカラダの糖質量が低下してしまうと、カラダが上手く動かず部活などで良い成績を上げる事ができなくなります。

糖質が少ないと筋肉量が落ちる

多くの方が知らないのが、「糖質を摂らないと筋肉が減ってしまう」という事です。

筋肉を作るためには原料となるタンパク質が必要です。そこで「タンパク質を摂らせておけば筋肉量は減らない」と思っている方がいますが、これは間違いです。

体内に糖質が無くなってしまうと、脂肪を分解してエネルギー源を作りますが、脂肪だけでなく筋肉も分解してしまうのです。これを「糖新生」といいます。つまり糖質制限を行った場合、タンパク質を摂取していても筋肉量が低下する恐れがあります。

よくボディビルダーが筋肉を作るために、タンパク質を多く含む「プロテイン」ばかり摂っているイメージがありますが、彼らは筋肉を作る時期には、タンパク質だけでなく炭水化物など糖質を多く含む食品もしっかりと摂取しています。これは糖新生によって筋力の低下を防ぐ目的もあるのです。

つまり結論を言えば、糖質制限は筋肉の低下を招いてしまうのでは糖質をしっかり摂らせる必要があると言うことです。

免疫力が低下する

子供だけでなく、大人にも言えることですが、糖質制限を行っている方の中には「風邪をひきやすくなった」という意見を多く耳にします。

風邪などの病気の予防にはカラダの中の「免疫細胞」の働きが重要です。この免疫細胞の働きを「免疫力」といい、免疫細胞が、つねひごろウイルスや細菌からカラダを守ってくれています。

しかし糖質制限をした場合、この免疫力が低下する危険性があります。

これは糖質制限をすることで、食事のバランスが崩れる事が大きな原因です。

糖質制限をすると、どうしても食事に対する「満足感」が出ません。すると満足感を得るために糖質以外の栄養素を大量に摂取してしまう方が多いのです。

具体的に、糖質制限を行っている方の多くが摂取しがちなのが「飽和脂肪酸」「トランス脂肪酸」といった質の悪いアブラです。糖質制限をしている方の多くが「肉」「マヨネーズ」「マーガリン」といった「高脂肪食」を大量に摂ることで満足感を得ようとします。これらの食品には「飽和脂肪酸」「トランス脂肪酸」といった脂質が多く含まれ、体内の悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を増やし血液の流れを悪くします。

中でもマーガリンや植物性油脂の中に含まれる「トランス脂肪酸」は、カラダを壊して免疫力を低下させる作用もあるため過剰摂取に注意しなくてはなりません。

これら質の悪いアブラの危険性は下記ページでも詳しく紹介しているので参考にしてみて下さい。

■話題の「0円カルピス」は危険!トランス脂肪酸を飲んでいる!

■栄養士がコンビニで買わない食品6選

結論を言うと、糖質制限ダイエットは食事バランスを崩し、免疫力低下につながる可能性があるということです。

どれくらいの糖質を摂ればいいの?

糖質の必要性は先に紹介した通りですが、では「どれくらいの糖質を摂ればいいのか」気になりますよね。

日本人の食事摂取基準では20歳までの男女の糖質摂取基準は、1日のカロリーの50~65%が理想とされています。これを糖質の量で表すと以下の表のようになりますので参考にして下さい。

※カロリーの60%を糖質で摂ると仮定して算定しています。

男性

年齢 糖質量(g)
1~2歳 142.5
3~5歳 195
6~7歳 232.5
8~9歳 277.5
10~11歳 337.5
12~14歳 390
15~17歳 427.5
18~29歳 397.5

 
女性

年齢 糖質量(g)
1~2歳 135
3~5歳 187.5
6~7歳 217.5
8~9歳 255
10~11歳 315
12~14歳 360
15~17歳 345
18~29歳 292.5

 
食材に含まれる糖質量は以下のページに一覧にしてありますので良ければ活用して下さい。

■【管理栄養士作成】食べ物の糖質量一覧

まとめ

子供における糖質制限ダイエットの危険性を御紹介しましたが、やはり子供の場合は糖質制限ダイエットはリスクのが高いので行わない方が良いでしょう。

それよりも運動や外で遊ぶ頻度を増やす事で消費カロリーを増やした方が絶対に安全でオススメです。ただ、極度の肥満で困っているという場合は、必ず医師に相談するようにして下さい。

独断で糖質制限をするのはのちのリバウンドや体調不良に繋がりかねませんのでご注意を