ロタウイルス胃腸炎は、乳児がもっとも重症化しやすい胃腸炎です。2~3月にかかりやすく、重症化してしまうと脳や腎臓などに影響を及ぼす事もあり、必ず注意が必要です。この記事を読んでロタウイルスについて理解して赤ちゃんを守りましょう。

そもそもロタウイルス胃腸炎ってなに?

ロタウイルス胃腸炎とは、名前の通りロタウイルスによって引き起こされる感染性胃腸炎のひとつで、乳児に多く起こる病気です。感染性胃腸炎の原因ウイルスはロタウイルスの他にも「ノロウイルス」があります。
毎年、冬の前半になるとノロウイルス、冬の後半から春にかけロタウイルスによる胃腸炎が流行します。また、夏に流行しやすい感染性胃腸炎はウイルスによるものではなく、「細菌」によるものが多いのが特徴です。

■ロタウイルス胃腸炎の特徴
・2から3月に流行しやすい
・乳幼児に多い

ロタウイルス胃腸炎とは

ロタウイルスとは

ロタウイルスの語源:ロタウイルスの「ロタ」はラテン語で「車輪」を意味します。これはロタウイルスの形が車輪のような形をしているところから命名されました。

ロタウイルスは環境に強く、条件があえば10日間ほど生きていけます。
石鹸やアルコール消毒にも強いので死滅しません。さらに、感染力が非常に強いのも特徴のひとつです。たった10~100個のロタウイルスが体内に侵入しただけでも感染してしまいます。
胃腸炎の症状がおさまった後も、1週間ほどは何兆ものウイルスが便中に排泄されるといいます。そのウイルスが人伝いに感染を引き起こします。

■ロタウイルスの特徴
・アルコールに強い
・熱に強い
・感染力が非常に強い
・10日ほど生きられる

ロタウイルス胃腸炎の症状

ロタウイルス胃腸炎とは
乳幼児は自分の症状を話す事ができません。親がロタウイルス胃腸炎の症状を理解し、しっかりとチェックしましょう。また、重症化してしまうと合併症が起こる場合があるのでご注意。

■主な症状
①突然の激しい嘔吐(おうと)から始まる事が多い
②白っぽい米のとぎ汁のような下痢をする ※1日に何度もします
③熱が出ることもある
④食欲不振
⑤ぐったりとする
⑥意識がもうろうとする

■合併症
①脱水症状(下痢や嘔吐によるもの)
②けいれん
③腎不全
④脳炎・脳症

乳幼児はロタウイルスで重症化しやすいので注意

ロタウイルス胃腸炎は、乳幼児の胃腸炎の中でも最も重症化してしまいやすい事が知られています。主な症状に嘔吐や下痢がありますが、嘔吐や下痢は体の水分が抜けしまいます。こまめな水分補給が必須ですが、赤ちゃんの場合は口から何も受け付けない事もあります。水分補給が出来ない場合、脱水症状が起こり命にかかわる事があります。
たかが脱水と甘く見てはいけません。赤ちゃんの体は小さいので、少しでも水分補給を怠ればすぐに脱水が進んでしまいます。大人と同じように考えてはダメです。

初めて感染した時に重症化しやすい

ロタウイルス胃腸炎は、ほとんどの子供が5歳までに1回は経験すると言われています。生まれて間もない頃は体がまだ小さいので、ロタウイルスに感染すると重症化しやすいのです。場合によっては入院が必要な場合もあります。日本ではロタウイルス胃腸炎で入院する子供の3割が0歳児、4割が1歳児です。
一方で、ロタウイルスは感染する度に免疫がつくようになっていきます。再び感染したとしても症状は軽く済むようになります。

根本的な治療は存在しない

現在、ロタウイルスに効果のある薬は存在しません。下痢や嘔吐を薬で止めることもしないので、根本的な治療がないのが現状です。したがて、ロタウイルスに感染した場合は、こまめな水分補給で脱水を防いで、自然に治っていくのを待つしかありません。
ロタウイルス胃腸炎は他の胃腸炎よりも回復に時間がかかります。発症してから7日間程度で症状がおさまるとされています。

感染から回復まで

■感染(1~2日)
ロタウイルス感染

ウイルスが増殖。小腸の細胞を破壊

水分や糖質、ナトリウム、カリウム等の栄養の吸収が悪くなる

■発症(4~7日)
嘔吐、下痢、発熱 ※脱水症状を起こしやすい。脳炎、脳症になる可能性も

免疫システムによりウイルス感染した細胞が破壊される

正常な細胞になっていく

回復

ロタウイルスを予防する方法

ロタウイルスは感染力も強く、アルコールでも死にません。やっかいなウイルスですね。
したがって、しっかりとした対策を行いましょう。次にロタウイルス予防法を紹介していきます。

 

1.予防接種を受けよう!
2.ロタウイルス用の手洗い
3.除菌をする

1.予防接種を受けよう!ロタウイルスはワクチンで予防可能

ロタウイルス予防接種副作用
現在、ロタウイルスは予防接種を受けることで予防する事が可能です。
WHO(世界保健機構)ではロタウイルスから子供達を守るために、ワクチンの摂取が推奨されています。現在130か国以上で予防接種は行われており、日本でも2011年11月から予防接種が可能になりました。
摂取した子供が重症になるのを防ぐだけでなく、免疫がつくことによって集団感染が抑えられるという効果があります。

摂取対象:生後6週から24週までの赤ちゃん。この期間に2回摂取します。なお、1回目の摂取は生後14週6日まで行う事が推奨されています。
■ロタウイルスのワクチンとはどんなもの?
ロタウイルスの予防摂取は注射ではありません。シロップ状になった「飲むワクチン」です。

ワクチンはロタウイルスの病原性を弱めたものを体内に入れて増殖させ、ロタウイルスに対する免疫をつけるというものです。

2.「酸性アルコール消毒剤」を使って手洗いを

ロタウイルスは「ノンエンペロープウイルス」といい、アルコール消毒剤や熱に対する抵抗性が強いです。したがって一般的な洗剤での手洗いでは効果がありません。
そこで使って欲しいのが「酸性アルコール消毒剤」。近年開発されたもので、ノンエンペロープウイルスにも有効です。お求めの場合は、ドラッグストアなどで店員さんに聞いてみましょう。

3.感染源となりそうな所を除菌

ロタウイルスは10日ほど生息が可能なタフなウイルスです。生息した状態で手に触れると感染リスクがあがります。そこで先に紹介した「酸性アルコール消毒剤」で除菌しましょう。現在はスプレータイプも販売されています。感染のきっかけになりやすい「ドアノブ」「トイレ」「キッチンまわり」「おもちゃ」などを除菌すると効果的です。

ロタウイルスの予防接種には副作用がある

ロタウイルス胃腸炎予防のワクチンには副作用があります。摂取後1週間に、「腸重積症」のリスクが高まるとされています。腸重積症は腹痛と血便を伴う場合があります。発症するリスクはごくわずか、ということですが、摂取する前に医師に相談しましょう。