冬は感染症の季節、予防対策は万全ですか?
インフルエンザやノロウイルスなど、毎年冬になると流行しやすい感染症があります。これらの感染症から身を守るためには、まずはうがい手洗いなど、日常生活での予防対策が不可欠です。しかし、うがい手洗いをこまめに行っていても毎年冬には感染症など流行します。なぜ感染するのか、また流行しやすい感染症、感染を予防する方法について今回はお話しさせていただきます。
どうして冬になると感染症が蔓延するのか?
冬に感染症が流行しやすい理由の1つに気温と湿度が考えられます。低温・低湿度を好むウイルスや細菌、微生物などにとって、寒くて空気が乾燥する冬は最適な環境です。高温・多湿の夏よりも長く生存できるようになるため、感染力が強くなるのです。さらに、空気が乾燥していると、咳やくしゃみの飛沫が小さくなり、飛沫に含まれたウイルスが遠くまで飛びやすくなります。そのため、一度の咳やくしゃみによる感染範囲が拡大し、感染スピードも上がります。一方で、冬は寒いため、人の免疫力が低下します。また、外気の乾燥に加えて、夏場ほど積極的に水分をとらなくなるため、体内の水分量も少なくなりがちです。結果、体内外の乾燥によって、本来は粘液でウイルスの侵入を防いでいる鼻や喉の粘膜が傷みやすくなり、ウイルス感染を起こしやすくなるのです。
冬にかかりやすい3つの感染症
毎年冬にかかりやすくなる代表的な感染症を3つご紹介します。
①インフルエンザ感染症
原因ウイルス:A型インフルエンザウイルス香港型・ソ連型、B型インフルエンザウイルスなど
流行時期:11月~2月頃
おもな感染経路:多くは飛沫感染と接触感染、空気感染の可能性もある
おもな症状:突然な高熱(38℃以上)、頭痛、筋肉痛、関節痛、喉の痛み、鼻水、嘔吐、下痢など
特徴:高齢者は肺炎、小児は肺炎や脳症を併発し、致命傷になることもある。
②感染性胃腸炎
感染性胃腸炎とはノロウイルスとロタウイルスという原因ウイルスによって大きく2つに分けることができます。
・ノロウイルス
原因ウイルス:ノロウイルス
流行時期:11月~1月頃
おもな感染経路:多くは接触感染と飛沫感染
おもな症状:吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、微熱(38℃以下)など
特徴:高齢者や乳幼児などは重症化することがある。
・ロタウイルス
原因ウイルス:ロタウイルス
流行時期:2月~4月頃
おもな感染経路:多くは接触感染と飛沫感染
おもな症状:嘔吐、下痢、腹痛、高熱(38℃以上)など
特徴:乳幼児に多く発症する。大人は軽度ですむことが多い。
ロタウイルスについては下記記事で詳しく解説しています。
関連記事:冬にかかりやすいロタウイルス胃腸炎から子供を守る方法
③RSウイルス
原因ウイルス:RSウイルス
流行時期:11月~2月頃 また最近では9月から急増している。
おもな感染経路:飛沫感染と接触感染
おもな症状:発熱、鼻水など 重症化すると喘鳴・呼吸困難などが現れることもある
特徴:乳幼児に多く発症する。生後数週間~数ヶ月に初感染すると肺炎などを併発し、重症化することがあるので注意が必要である。
RSウイルスについては下記の記事で詳しく紹介しています。
関連記事:RSウイルス感染症を予防する方法
また、この代表的な3つの感染症のほかにも、溶連菌感染症やマイコプラズマ肺炎などの細菌による感染症もあります。
溶連菌感染症とは?
溶連菌が喉などに感染して発症します。冬に多く飛沫感染、経口感染することが多いです。症状として発熱、喉の痛みを伴い、全身に赤い発疹がでます。2~3才から小学生までが好発年齢です。
マイコプラズマ肺炎とは?
「肺炎マイコプラズマ」という細菌に感染することによって起こる呼吸器感染症です。1年を通してみられ、冬にやや多くみられます。飛沫感染、接触感染などにより感染します。症状として発熱、全身の倦怠感、頭痛、咳などがみられます。抗生物質によって治療しますが、重症化すると入院して専門的な治療が必要となります。
感染症を予防する方法
それでは、感染症の予防方法についてご紹介していきましょう。
冬にかかる感染症の中には、重症化してしまうと命にかかわるものもあります。特に重症化しやすいのは小さな子供です。
かかってから病院に行くのではなく、ならないように予防する事が大切です。
①帰ってきたら必ず手洗い・うがいを!
外に出て、帰ってきたアナタの体には多くのウイルスが付着しています。特に、手は様々なものを触っているのでウイルスが多くついている可能性があります。
帰ったら真っ先に洗面所に向かって手を洗うようにしましょう。その時に「うがい」も忘れないように。喉にウイルスが付着している事も多々あります。
②感染源になりそうな場所は除菌しよう!
家の中で、ウイルスの感染源になりやすいのが、ドアノブ、トイレ、キッチン、おもちゃ、です。
ウイルスは人の手から手へと感染する場合が多いので、感染しやすい場所はすすんで除菌をすることが重要です。
ドラッグストアなどに「酸性アルコール消毒剤」が売っていますので、それらをつかって除菌するようにしましょう。
③免疫力を高めておく
そもそも、ウイルスが侵入してくるのを防ぐために、免疫力を高めておかねばなりません。日頃の仕事での疲労や、精神的ストレスは免疫力の低下を招いてしまいます。
そこで、免疫力を高めるような食材を日頃から摂取するようにしましょう。
免疫力を高める事ができる食材は下記の記事で紹介しています。がん予防に効果のある食材ですが、免疫力向上に役立つ食材が一覧にしてあります。ぜひ読んでみて下さい。
関連記事:がんを予防する食べ物一覧
まとめ
感染症で重症化しやすいのは、特に子供や高齢者です。重症化する前に、かかったら病院を受診する事が大切です。
しかし、もっと大切にして欲しいのは「予防」です。今回ご紹介した内容で、しっかりとした感染症予防をしましょう。
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