牛乳・乳製品とがん

牛乳とがん
「牛乳は体に良くない」こんな話を聞いたことはありませんか?

 
牛乳などの乳製品は、戦後のGHQの政策によって日本で多く消費されるようになりました。たとえば、筆者の学生時代も、給食には必ず牛乳がついてくるのは当たり前だったように、「牛乳=からだに良い」というイメージが当たり前のようにありました。さらに、「ヨーグルトなどの乳製品は腸内環境を良くする」という事は多くの人が知っており、食べてる人もたくさんいます。

しかし近年では、牛乳の健康効果に疑問の声があがるようになりました。

 

え?牛乳って体に悪いの?

 

と感じる人もいるでしょうが、実は世界中の研究機関で「牛乳などの乳製品は、がん細胞を増やす」という研究結果が多く見られるのです。

日本でも、京都大学名誉教授の和田洋巳(医学博士)先生が「牛乳は、がんを増殖し、がんを育てる」と警鐘をならしています。

本当に牛乳は、がんと因果関係があるのでしょうか。今回は牛乳などの乳製品と、がんの関係について解説していきます。


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牛乳・乳製品の栄養素についておさらいしよう

牛乳の健康効果
まず、これまで言われてきた牛乳の健康効果についておさらいしていきましょう。

厚生労働省をはじめ、医師、栄養士ほとんどの専門家は、牛乳の摂取を推進してきました。なぜ牛乳を推進してきたかといえば、牛乳が人間に与えるメリットが多いからです。以下にこれまで当たり前に言われてきた牛乳や乳製品のメリットを上げてみます。

・カルシウムが摂取できる
・栄養価が高い
・たんぱく質が摂取できる
・ヨーグルトなどは乳酸菌を摂取できる

認知度が高いのは以上でしょうか。基本的には、骨粗しょう症予防・改善、子供の発育促進、腸内環境改善(ヨーグルト)、胃の粘膜保護、疲労回復などの効果が期待できるとされています。

実際に私も栄養士として今紹介した内容で、栄養相談やカウンセリングに対応していました。しかし、近年の研究からすると、認識を改める必要がありそうです。

牛乳・乳製品は、がんを増殖させる

IGFがんを増殖
こう訴えるのは先に紹介した、京都大学名誉教授の和田洋巳先生。

現在、がん患者の中には乳製品を熱心に食べている人が多くおり、その人達に「牛乳・乳製品は摂取をやめるよう」指導されています。そして実際に摂取をやめた患者の、がんの進行が落ち着くそうです。

参考サイト:和田洋巳先生による「がん細胞~牛乳の功罪」

和田洋巳先生によれば、牛乳・乳製品に含まれる「IGF」というホルモンが問題であるとしています。

がんを増やすIGF-1とは

IGF-1とは細胞の増殖因子で、インスリンに非常に似た構造をしてるホルモンです。細胞の増殖を活性化し、自己増殖的な刺激を与えます。様々な、細胞を元気にして増やすため、スポーツや美容の分野ではIGFは良いものとされています。

しかし、正常な細胞を増やしてくれる一方、がんの時には、がん細胞を増殖してしまうのです。

少し専門的な話になりますが、牛乳・乳製品に含まれるIGF(インスリン様成長因子)を摂取すると、「mTORC1」というタンパク質が活性化します。このmTORC1というタンパク質が、細胞の増殖を促す働きがあるため、がん細胞を増殖させてしまうのです。

牛乳・乳製品に関わるがん

現在、牛乳・乳製品と因果関係があるとされる、がんの種類を紹介しておきます。

 
・乳がん
・子宮がん
・腎臓がん
・卵巣がん
・前立腺がん
・精巣がん
・甲状腺がん
・多発性骨髄腫

アメリカの牛乳や乳製品には注意が必要

アメリカの牛は危険
アメリカの牛乳を飲む事はあまりないかもしれませんが、アメリカ産の牛乳を使用した乳製品は注意する必要があります。

アメリカでは、日本では使用が禁止されている牛成長ホルモン「rBGH」が使用されている場合があります。

rBGHを投与された牛から作られる牛乳には、高レベルのIGF-1が含まれているとされます。その牛乳を人が摂取した場合、がんリスクが上昇する危険性が示唆されています。

結論

今回、牛乳の危険性を紹介しました。牛乳=体に良いというイメージが少しは変わったでしょうか?

「牛乳は飲まないほうがよいのか・・・」こう思われた方もいるかもしれませんが、

私の結論はがんの人は止めたほうが良いという事です。これは牛乳の危険性を訴えている和田洋巳先生も言われています。

全ての人が牛乳・乳製品の摂取を控えるべきというわけではありません。

牛乳には、一番最初に紹介したように、カルシウムやタンパク質などの素晴らしい栄養を含む面もあります。したがって元気な人であれば問題ありません。IGFも健康な細胞の増殖という点で役に立ちます。

しかし、がん患者や、がんを経験した再発予防に努める人達は摂取を控えた方が良いと思います。

特に現在は、がん患者もヨーグルトを食べている人がいるので、今回の記事を読んでもういちど食事内容を見直して頂くと良いかもしれません。
 
こちらの記事で、がんのリスクを下げる食材についてまとめています。
関連記事:管理栄養士が教える「がんを予防する食べ物一覧」
 
牛乳以外に動物性の肉も、がんに関わっています。
関連記事:がんの食事に動物性の肉がダメな理由


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